それでもあなたは“国”に所属するか──パスポートの正体

国家と構造

国籍という“見えない鎖”

あなたは、どこに属しているか?
答えはこうだ──「あなたは“国家”という構造に所属している」。

生まれた時点で“国籍”というラベルが付けられ、
パスポートという“管理タグ”を持たされ、
法律、税金、思想、教育、戦争、あらゆるものに縛られていく。

だが、これらは一体「誰が決めた」ことなのか?
あなたがそれを“選んだ”記憶はあるだろうか?


パスポートは「通行証」ではない。「所有証明書」だ。

多くの人が誤解している。
パスポートとは“自由に移動するための権利証”ではない。
それは「あなたがどの国家の“所有物”か」を示す管理用IDにすぎない。

  • 所属国家によって渡航先が制限される
  • 国際的な信用によってビザの要否が決まる
  • 問題が起きれば、国家が「保護者」として介入する

つまり、あなたは“自由に旅する個人”ではなく、
「国家という所有者に紐づいた管理対象」として世界を移動している。

それを明確に示すのが、パスポートという構造だ。


国民とは、国家の“リソース”である

国民一人ひとりは、国家にとって“管理資源”にすぎない。

  • 労働力
  • 納税装置
  • 票田
  • 兵士候補

これが「国に守られている」という幻想の正体だ。
国家は国民を“活かして”守るのではなく、
“使える限り使い倒す”という設計になっている。

パスポートとは、その「利用可能な資源であること」の証でもある。


「母国」という言葉の美化

人々は「自分の国を愛せ」と言われて育つ。
だがその愛国心は、“都合の良い従順さ”を生む。

  • 戦争になれば命を差し出す
  • 税金が上がっても我慢する
  • 不平等でも「日本人だから」で耐える

それは“誇り”ではなく、“縛り”である。
愛国とは、服従を美化するための構造的レトリックにすぎない。


結論:「どこの国の人間か」ではなく、「どんな構造を生きるか」

あなたがどのパスポートを持っているかは重要ではない。
本当に問うべきは、どの構造の中で生きるかである。

  • 管理されることに疑問を持てるか
  • 所属を選ぶという意識を持てるか
  • 自分で自分の枠を設計する意志があるか

国民であることに無自覚なまま一生を終えるのか、
それとも、「国家とは何か」を問い直し、構造を超えていくのか。

あなたが今いるのは、“国”ではなく、“構造”である。
そしてその構造は、選び直すことができる。

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