序章:なぜ事件は繰り返されるのか
日々、ニュースで報じられる殺人事件や凶悪犯罪。
多くの人は「なぜこんな事件がなくならないのか」と疑問を抱きます。
しかし、冷静に構造を見れば、事件が起きること自体が 国家や社会システムの維持に利用されている 側面があるのです。
第一章:国家が真に恐れるもの
国家が最も恐れるのは「国民の死」ではありません。
国家を根底から揺るがすものは以下の三つです。
- 戦争 ─ 外部からの侵略により体制が崩れる
- 紛争・内乱 ─ 内部から治安が崩壊する
- 革命 ─ 支配そのものが転覆される
逆に言えば、個別の事件は国家の存立を脅かすものではなく、むしろ「社会を管理し続けるための材料」にされやすいのです。
第二章:犯罪がもたらす“仕事”
事件が起きれば、多くの職種が動き出します。
- 警察:捜査・警備・検挙により存在意義と予算を確保
- 検察・裁判所・弁護士:事件処理を通じて法曹システムが維持される
- 報道機関:視聴率や広告収益を得るために連日事件を取り上げる
- 行政:防犯や安全対策の名目で新たな予算や条例を確立
このように、事件は社会のさまざまな組織の「燃料」として機能し、
誰かが犠牲にならなければ仕事が回らない仕組みになっているのです。
第三章:報道がつくる“恐怖”の循環
報道は「治安悪化を煽る → 防犯意識を高める → 監視強化や予算の正当化」という流れを生み出します。
結果として、国民は常に「自分も被害に遭うかもしれない」という恐怖を抱き、国家や警察の存在をより強く求めるようになります。
本来なら、犯罪がゼロになることが理想のはずです。
ところが、完全な抑止はむしろ国家にとって都合が悪い。
なぜなら、犯罪が消えれば警察・司法・報道の仕事も消えてしまうからです。
第四章:終わらない連鎖
この構造を整理すると、次のような「終わらない連鎖」が見えてきます。
- 犯罪が発生する
- 報道が恐怖を煽る
- 国民が不安を抱く
- 政府・警察が対策を打ち出す
- 新たな予算と仕事が生まれる
- それが次の事件へとつながる
この循環は断ち切られることなく、延々と繰り返されます。
つまり、国民の命は「守る対象」であると同時に、
「社会システムを維持するための資源」にされているのです。
結論:構造に気づくことが第一歩
凶悪事件の報道を見るたびに、多くの人は被害者への同情と加害者への怒りを覚えます。
しかし、その感情の背後で 国家と社会が事件を利用している現実 に目を向ける必要があります。
本当に守られるべきは「国家の秩序」ではなく「人間の命」です。
けれども現実には、秩序維持のために命が利用され、事件の連鎖が止まらない。
私たちができる最初の一歩は、この構造に気づくことです。
気づくことで、ニュースに踊らされず、自らの判断で生きる力を養うことができるのです。
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